事業の強み・将来性

安川電機の強み

業界のトップメーカー、世界一の産業用ロボットメーカーとしてのコア技術の高さが最大の強み。独自制御技術のACサーボモータ・インバータを使ったモーションコントロール分野、それらを応用したロボットの動きは非常に精密。長年蓄積されたコア技術を活かし、市場に合わせ事業展開により、業績は安定している。剣技をモーションキャプチャした「ロボット動画」(PR動画)は、その技術力の高さから世界中から絶賛されている。

また、高性能な機器を提供し、御用聞きスタイルのビジネスで他社と差別化することに成功しており、近年力を入れているヘルスケア分野で開発した脊髄損傷者用の歩行アシスト装置「ReWalk」などは、安川の技術力の高さの証明といえる。海外市場を常に意識しており、ロボットやサーボやインバータなど世界各地で販売している。本社が北九州で、経済成長著しいアジアに近いというロケーションも強みだ。


安川電機の弱み

機械電機メーカーなのでソフトウェアの力が弱く、今後発展するであろう人工知能技術(AI)などに付いて行けているのか疑問がある。また、昔からエンジニアリング、技術力があるのに、営業や製品企画、マーケティング力が弱いため、売れる製品に繋がっていないとの指摘がある。組織としては事業部縦割りとなっており、事業部間の連携も無いに等しいことも問題とされている。また、各々の製品は価格面で海外製品に大きく劣っており(かなり高いということ)、今後は値下げ圧力が強まることが予想される。


安川電機の事業展望

全社ビジョンとしてロボティクスと環境エネルギーといった時代に沿ったビジョンを掲げている(インダストリー4.0など)。インバータで培った電力変換技術(パワーコンディショナ)を応用して、クリーンエネルギー(風力発電など)事業に参入する見込み。また、海外、特に中国での産業用ロボットの売り上げが大きくなっており、ロボット製品や省エネ製品での成長が見込まれる。

今後はコア技術を活かし、医療・介護分野への参入、エネルギー分野等へ注力、あらゆる機器がインターネットにつながる「IoT」の活用等、現在は大きな利益を出していないが、安川の新たな技術・サービスとして確立していくと予想される。今後も技術力を武器に市場での地位を維持し続けるだろう。